- ロバート・バトラー 監督
- 2026/5/27(水) 14:00~、16:00~、18:00~、20:00~
(解説)
ニューヨークの下町を舞台に、娘を誘拐された元警察官の父親の命がけの追跡劇を、スピード感と臨場感たっぷりに描いたサスペンス映画の秀作。「悪魔の棲む家」のジェームズ・ブローリン主演。原作はハードボイルド小説の巨匠ウィリアム・P・マッギバーン、監督は「刑事コロンボ」などのロバート・バトラー。権利問題から長らく鑑賞困難となっていたが、2025年に4K修復版にてリバイバル上映された作品。

(感想)
1980年に製作された本作は70年代終わりのニューヨークの空気感を濃厚に伝えている。セントラルパーク周辺のジョギングしている人の多さと交通渋滞、荒廃したサウス・ブロンクスの瓦礫の山、タイムズスクウェアはポン引きと薬の売人がうろつきポルノショップが軒を並べている。殺人事件が多く「犯罪都市」とも呼ばれた時代のニューヨークだ。その街を、間違えて誘拐された娘を取り戻すため、元警察官のボイドがどこまでも犯人を追って走り抜ける。彼の追跡を阻むハードルとして、ボイドに恨みを抱く元同僚がショットガンを持って追いかけてきたり、ブロンクスの不良グループが絡んできたり、追う者も追われる者もどんどんヒートアップしてくる。さながら、それぞれの抱えている不運や不当さに対する怒りが熱源であるかのようなドラマだ。
この映画の犯人は、今のように単なるサイコや冷酷なシリアル・キラーではなく、不況と不遇に追い詰められ、家族は亡くなり住む家は奪われ、そんな社会への復讐心を持った者として描かれている。犯罪者にも、その犯罪の動機となる背景があったはず―という目配りを持った時代の作品。(主催者)
