- ナナ・ジョルジャぜ 監督
- 2025/9/24(水) 14:00~、16:00~、18:00~、20:00~
・ジョージアのナナ・ジョルジャゼ監督の作品を見るのは初めてだった。ジョージアはソ連
邦からの独立、民族紛争による内戦などの複雑な歴史を持つが、本作の中では冒頭の白黒
のニュース映像で短く紹介され、それにかぶる音声で仲間の画家が内線で死んだことを知
らされるのみ。
それから27年後の現在、動乱の中で青春時代を過ごした芸術家たちは、半地下のアパート
に寄り集まって貧しく自由放埓なボヘミアン生活を送っている。彼らは、電気を止められ
るほど貧しく、絵のコレクターの妻となってアメリカ(新天地)へ赴かなければならないほ
どその未来は閉ざされている。しかし、どんな状況になっても心と体は誰にも売りわたす
ことはなく自由だという、ジョージア人の心意気、ナナ監督の人生観が垣間見える。
監督は、これまで幾多の作品を共にしてきた馴染の俳優たちを使って、放埓で自由だった
青春時代を懐かしみながら、映像作家としての人生にひとつの区切りをつける作品として
この映画を生み出しているのではないか。
ラスト、芸術家仲間の一人で修道女を志す女性が自分が貰ったカメラを迷うことなく子供
にやってしまうのは、若い世代にこれからの映画を頼むという監督からのメッセージのよ
うに見える。(主催者)

